大学院福祉健康科学研究科は、2020年4月に健康医科学コース、福祉社会科学コース、臨床心理学コースからなる「より高度な支援の実践力」と「科学的・論理的思考に基づいた研究力」を身につけた地域共生社会の実現を担うことのできるパイオニアの養成をめざす大学院として開設されました。
養成するパイオニアとは、医療、福祉、心理の学際融合的アプローチに基づきながら、個人と地域を関係づけた支援と研究を推進していくことのできる人材のことを意味しています。
そのためには、「より高度な専門性を備え,多角的・総合的な支援を地域に根付かせていく実践力」と「医科学を取り入れて福祉健康科学を深化させることができる研究力」の2つの資質・能力を涵養する必要があります。
したがって、本研究科は、社会福祉士、公認心理師、臨床心理士、理学療法士など専門職が、エビデンスに基づいた質の高いサービスを要支援者に提供するという個人への支援だけではなく、その支援活動などを通して、(例えばソーシャルキャピタルやソフト面でのユニバーサルデザイン化の推進など)地域・コミュニティに働きかけることにより、住民や行政などとともに、すべての住民一人ひとりが自他の権利や存在の多様性を尊重し、「共生共育」のできる発展する「地域共生社会」を目指して創っていく教育研究活動を展開していく予定です。
また、本研究科の教育研究の特徴は、3コースが合同で「地域共生社会」の概念を学ぶとともに,「地域共生社会」の実現のために各領域が他領域とのインテグレーションを踏まえてどのような貢献ができるかに関する教育研究を深めることによって、「地域共生社会」の実現を担うパイオニアとしての根幹を養います。それに加えて各領域に関する詳細な教育研究を行うための各コースにおいては、3コース合同での教育研究と関連させながら、それぞれの領域を幅広くかつ深く学んでいくことです。
福祉健康に関心をもつ社会人など多くの方々が本研究科で学ばれることを願っています。また、本研究科は、福祉健康に関する諸課題について、幅広い分野の研究者と実務家が一緒になって議論し、交流する場としての役割を担いたいと考えています。
福祉健康科学研究科長 片岡 晶志