本研究科は,「より高度な専門性を備え,多角的・総合的な支援を地域に根付かせていく実践力」と「医科学を取り入れて福祉健康科学を深化させることができる研究力」を兼ね備え,かつそれらの相互作用によって,「地域共生社会」の概念を理解し,多角的な方向からその実現を担うパイオニアを養成することで,「地域共生社会」の実現に寄与します.
本研究科では「地域共生社会」を以下のような社会ととらえています.
「種々な問題・困りを抱える人を含めたすべての人が,その問題・困りの性質や年齢・世代にかかわらず,その必要性に応じて医療・福祉・心理を中心とした学融合的なアプローチに基づく専門的な支援などを活用しながら,その人格や主体性など自他の権利を尊重しつつ,地域社会の中で互いにつながり,多様な存在価値を認め合うコミュニティをつくり出していく社会」
「より高度な専門性を備え,多角的・総合的な支援を地域に根付かせていく実践力」と「医科学を取り入れて福祉健康科学を深化させることができる研究力」を兼ね備えることにより,医療と福祉と心理を結節させながら,個人と地域を関係づけた高度な支援と研究を推進していくことのできる人材を養成します.
3コース合同で相互の学び合いや多領域を関係づけた学びを進め,「地域共生社会」に関する理解と支援の基盤を確実に養うとともに,各コースの詳細な学びを組み合わせることで,「地域共生社会」に関する学びを深めます.
教育の目標
福祉健康科学研究科福祉健康科学専攻(修士課程)は,医療・福祉・心理の3領域の結節を進めるとともに,「より高度な支援の実践力」と「科学的・論理的思考に基づいた研究力」を身につけ,地域共生社会の実現を担うことのできるパイオニアを養成します.
本研究科では以下の能力を有した者に学位を授与する.
自らの専門領域に加え,医療,福祉,心理を俯瞰し,個人と地域を関係づけた多角的・総合的な支援を実践できる知識と技術を修得している.
自らの専門領域を基盤としつつ,医科学の視点や研究手法を取り入れ,福祉健康科学を深化させるための研究を進める上で必要となる知識と技術を修得している.
コース | ディプロマ・ポリシー1 実践力 | ディプロマ・ポリシー2 研究力 |
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健康医科学 コース |
福祉健康科学及び健康医科学を深く理解し,医療に関する諸問題に対して多角的・総合的にアプローチできる専門知識と技術を修得している. | 健康医科学に関する課題を明らかにし,健康医科学の発展に向けた研究を進める上で必要な知識と技術を修得している. |
福祉社会科学 コース |
福祉健康科学及び福祉社会科学を深く理解し,福祉に関する諸問題に対して多角的・総合的にアプローチできる専門知識と技術を修得している. | 現代の福祉課題や地域の福祉ニーズを分析し,福祉社会科学の発展に向けた研究を進める上で必要な知識と技術を修得している. |
臨床心理学 コース |
福祉健康科学と心理学を深く理解し,心の健康に関する諸問題に対して多角的・総合的にアプローチできる専門知識と技術を修得している. | 心の健康や心理学的支援に関する現代的課題を発見・分析し,臨床心理学を中心とする心理学の発展に向けた研究を進める上で必要な知識と技術を修得している. |
ディプロマ・ポリシーを実現するために,以下のように教育課程を編成する.
また,各科目とディプロマ・ポリシーとの関連についても以下のとおり
「福祉健康科学」や「地域共生社会」の概念,及び医療,福祉,心理の各領域における「地域共生社会」の実現について考えを深めるとともに,地域・コミュニティを視野に入れた支援の展開を学ぶことを目的として,基礎科目を設ける.
医療,福祉,心理の各領域における支援実践と研究に関するより詳細かつ高度な学修を行い,「地域共生社会」を実現するために必要となる知識・技術・論理的思考力等を身につけることを目的として,発展科目を設ける.
学位論文研究に関する指導及び領域横断型研究の実際を学ぶことを目的として,研究展開科目を設ける.
本研究科では以下のような人材を求める.
健康医科学(理学療法学や生命科学等)に関する基礎知識を有し,健康医科学に関する臨床実践・行政・研究を牽引するとともに,「地域共生社会」の実現に携わりたい人.
福祉社会科学に関する基礎知識を有し,福祉社会科学に関する実践・行政・研究を牽引するとともに,「地域共生社会」の実現に携わりたい人.
心理学に関する基礎知識及び臨床心理学的な支援に関する資質を有し,心理専門職として,心理支援の実践や研究を牽引するとともに,「地域共生社会」の実現に携わりたい人.