大分大学では,2020年度より大分県と連携し「子どもの権利擁護に係る実証モデル事業」(国の児童虐待・DV対策等総合支援事業)に取り組んでいます.これまで事業の一環として「子どもアドボケイト養成研修」(全15講座)を実施し,子どもと関わる仕事に携わる人々に加えて多くの学生が同研修を受講しました.
「子どもアドボケイト」とは,子どもの声に耳を傾け,大人に届くように支援するとともに子どもの権利が保障されるよう社会に働きかける「意見表明支援員」のことです.研修を終えた受講者の中には,実際に「子どもアドボケイト」として県内の児童養護施設,一時保護所,里親家庭における子どもアドボカシー活動に携わる方もいます.
また大分大学では,子どもの権利擁護,意見表明支援活動に関わる周知・啓発等を目的とした学生による「子どもアドボカシーサークル」の活動も行っています.
①「こどもの権利なんでやねんすごろく」で
交流を深める子どもとアドボケイト
②大分大学「アドボカシーサークル」活動の様子
今後実際に現地に訪問してアドボケイトとして活動する上での準備のため,また現在行われているアドボケイト活動のサポートのために子どもアドボケイトのサークル活動を行った.
主に,アドボケイトとして活動を行った先輩方のロールプレイを見て学んだり,他のメンバーと協力してアドボケイトが訪問する施設に掲示するポスターを作成したりした.先輩方による面談時のロールプレイを見て,アドボケイトが話を誘導するのではなく,子どもが話せるタイミングで,話したいことを話せるようにしていることが分かった.
ポスター作成では,子どもが見やすく,興味を持てるようなデザインとなるよう工夫しつつ,安心してアドボケイトに話していいのだということが伝わるように作成した.
ただ,子どもにとってよく知らない大人に話をするということにはやはり相当な勇気が必要であると考えられるため,子どもが話をすることに対する難易度を少しでも低くすることができるよう,アドボケイトにできることをこれからも考え続ける必要があると感じた.