川上 健二講師のインタビュー

川上 健二講師

大学では主にどのような授業を担当されていますか?

主に運動器(整形外科)の疾患についての理学療法を担当します.
効果的な理学療法(運動療法や物理療法)の習得ために実技を多く取り入れた授業を行います.また,理学療法評価学および物理療法学も担当しています.

先生のご専門について詳しく教えてください.

運動器とは,日常生活活動も含めたすべての運動に関わる骨・筋肉・関節・神経の総称で,これらの器官は互いに連携しながら働いています.これらに機能障害が起こると,骨の支持性,筋力と筋持久力,柔軟性,バランス能力などが低下し,動作全般に悪影響を及ぼします.そのため,運動器の機能を維持または向上させることは,スポーツなどの運動だけではなく,立つ・座る・歩くといった基本的な日常生活動作活動においても重要になります.

現在行っている研究について教えてください.

転倒は加齢に伴いリスクが増加し,大腿骨頸部骨折や外傷性くも膜下出血など重度の身体障害を引き起こす要因となると言われています.そのため転倒のリスクを未然に知ることは,とても重要な意義を持っています.そこで,立位を維持した時の筋肉の働き,脳の働きなどを同時に調べて転倒しやすい状態であるかどうかを示す指標の特定を試みる研究を行っています.
他に,理学療法士が行う徒手を用いた多くの治療法の中で,筋への圧刺激の効果に注目し研究を行っています.この研究では,定量的に圧刺激を加えることのできる装置を開発し,疲労した筋へ圧刺激を加えることで筋の機能やヒトの運動がどのように変化するのかを筋電図や脳波を用いて調べています.

大分大学福祉健康科学部理学療法コースの魅力は?

社会のニーズとして,地域包括ケアシステムを円滑に機能させるために関連職種の役割や業務を理解した上で,リーダーとして活躍できる専門職が求められています.そこで当コースでは,心身の健康と生活環境の相互作用という観点から,理学療法士として専門的知識(身体的)はもちろん幅広い知識(社会的・心理的)を持つスペシャリストを育成します.
現在,1・2期生は今年の12月に完成したばかりの教室や真新しい実習機器を使用して勉強をしています.ぜひ,このような素晴らしい環境で一緒に学びましょう.

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