藤原　愛作さんのインタビュー

高校生３年生の時に，クラス担任から紹介されたことが理学療法士という職業を知りました．元々は学校の教師になりたいと漠然と思っていましたが，クラス担任の紹介も有り，夏休みに病院見学をさせてもらいました．
見学を通じて，理学療法士という仕事の内容ややりがいなどを説明してもらうなかで，理学療法士という職業が合っているかもと思い，将来の選択肢に入れました．その後，両親とも話し合い，理学療法士の養成校に進学を決めました．

現在は，リハビリテーション部の教育管理課の課長を務めています．業務内容として，新人指導，臨床実習の管理，部門，病院の教育管理を主に行っています．他には，職員から患者様の治療に関する相談を受けたときに，一緒に現場に行き，治療方法の提案や実施中の助言なども行っています．また，新しく治療機器が導入された際に，職員への説明や患者様に実際に使用するときにサポートすることもあります．
理学療法士を始め医療職は，進化し続ける医療に対応し，それを患者様に提供できるようにならないといけません．その，サポートを行なう大事な仕事を行なっていると思っています．
他には地域社会活動として，大分県理学療法士協会の仕事も行なっており，大分県内の理学療法士の学術活動の支援や研修会の運営，臨床実習の指導者の育成なども行なっています．

まず１つ目は，自分が担当している患者様が回復して，喜んでくれる表情を見たときです．これは，自分の担当だけでなく，所属しているチームの患者様が良くなったときも同様です．退院した後も，外来や町中で会ったときに，笑顔で声をかけてくれたときです．
２つ目は患者様の治療の中で考えた問題点に対して，治療を考え，実施した後に，患者様の問題点が改善したときにやりがいを感じます．問題点はいろいろあり悩みますが，自分自身の知識や経験を最大限駆使して，問題点が改善したときにはとても嬉しいですね．
３つ目は，相談に来た職員がアドバイスを通じて，悩みが解決したとの報告を聞いたときです．今の仕事は職員を支援する仕事を主体に行なっているので，職員のサポートができたと実感したときは嬉しいです．
もちろん，すべてが上手くいくわけではありませんので悩むことも多いのですが，その分上手くいったときには充実感を感じます．

この仕事のやりがいは，対象となる患者様の人生の一部に関われることだと思っています．いろいろな人生を重ねてきた患者様と関わることは，自分自身の成長にも繋がっています．私も２０年を超える理学療法士という仕事の中で，患者様のお役に立てたと感じることもありましたが，無力さを感じたこともたくさんありました．その時は，次に同じ経験を繰り返さないように，いろいろと勉強したことを思い出します．
患者様や上司，先輩，後輩，病院外の人など，多くの接点がある仕事だからこそ，自分自身の成長の可能性につながるとてもすばらしい仕事だと思います．
自分の高校生の時期は，楽しい中にも漠然とした不安があったように記憶しています．楽しいことも多い反面，悩むことも多いと思いますが，考えるより行動を起こしてみてはどうでしょうか？行動した結果，その道が理学療法士に繋がると私もとても嬉しく感じます．皆さんが活躍している未来を楽しみにしています．