春木 亨子さんのインタビュー

春木 亨子さん

医療法人慈愛会  介護老人保健施設やまなみ苑

今のご職業に就こうと思ったきっかけは何ですか?

最初は,介護福祉士として勤務しましたが,いろいろな悩みにぶつかり,もっと学びたいと感じて,社会福祉士資格取得を目指しました.しかし,社会福祉士になっても,悩むことには変わりありませんでした.福祉の仕事は,人の暮らしの多様な問題と関わることになりますし,課題は尽きません.私はもうこの仕事には立ち向かえないと思っていたときに,地域で,認知症だと思われる高齢者に話しかけられました.その後を,困惑の表情で追いかけて来る人がいました.このときに,改めて,困りを抱える人に寄り添いたいと思い,新たに高齢者福祉に挑戦しようと決心しました.私の場合は,私の人生のなかで,だんだんと今の仕事に近づいて来たと思っています.

詳しい業務内容を教えてください.

介護老人保健施設で,支援相談員として勤務しています.介護老人保健施設は,医療機関での治療を終え,自宅に戻る前にリハビリテーションをする機関という位置づけで設置されました.つまり,在宅復帰支援を行う機関です.同時に,地域での在宅生活を支える在宅療養支援の機能も持っています.
支援相談員は,利用者を中心に,ご家族や周囲の人びとの思い,状況を確認しながら,その思いがなるべく実現するように,施設内の多職種と協力しあって支援するという役割を担っています.行政機関や医療機関との連絡調整も行っています.

やりがいを感じるのはどんな時ですか?

ご利用者やご家族から,思いを話していただけたときや,ご利用者とご家族の思いを通わせ合う支援が出来たと感じるときに,喜びとやりがいを感じます.この支援は,支援の基本となる大事なことだと考えています.今は,特にコロナ禍ということもあり,入所利用者とご家族との面会が難しい状況が続いています.対面面会に代わる方法として,テレビ電話を利用していますが,この方法は,お互いの目が合わないため,なにかもっとよい方法はないかと模索中です.

高校生に向けて激励のメッセージをお願いします.

高齢者福祉に関わり始めて,いろいろな悩みや課題にぶつかってきたと感じているのですが,大学院での学びで,課題を解決しようとする力が身についてきたように思います.自分のテーマを研究することも,ご指導くださる先生方や大学院生仲間との交流も,そのすべてが,「考える」ことにつながっています.考える力は,解決しようとする力になると感じています.高校生のみなさんは,これから,迷ったり,悩んだりしながら,自分の道をみつけようとされるのではないかと思います.その過程のすべてが,人生の力になると思います.応援しています.

教員採用