土屋 佑貴さんのインタビュー

土屋 佑貴さん

社会医療法人 帰巖会 みえ病院

今のご職業に就こうと思ったきっかけは何ですか?

2011年3月11日に起きた東日本大震災の際に,メディアを通して被災地の様子を見たことがきっかけです.当時,中学校を卒業したばかりの私にとっては衝撃的な出来事だったことを記憶しています.連日,メディアで報じられる被災地の様子を見て,「被災者の今後の人生は誰が支援するのか」と疑問を持ち,自分ながらに調べた結果社会福祉士という職業に出会ったという訳です.その後,4年制大学に進学し,講義や実習,先生方のお話を聴きながら,社会福祉について学んでいく過程で,社会福祉士を目指す気持ちはより一層強くなりました.

詳しい業務内容を教えてください.

現在は56床を有する急性期病棟の医療ソーシャルワーカーを担当しております.業務内容としては主に入院患者さんの在宅復帰や施設入所支援,転院調整,経済的・心理的・社会的問題への援助を含む退院支援を行い,時に外来患者さんの相談に対応しています.
 私が担当する急性期病棟は多数の診療科の患者さんが入院する混合病棟であるため,胆嚢炎や肺炎,心不全等の内科疾患,骨折や脳梗塞等の外科疾患等,様々な疾患のある患者さんを担当させて頂いています.また,人工呼吸器を必要とする重症度の高い患者さんや末期がん,透析を必要とする慢性腎不全等の慢性的疾患を抱える患者さん等,幅広い病期に対してソーシャルワーク実践をしています.

やりがいを感じるのはどんな時ですか?

患者さんの人生におけるターニングポイントに関わることができた際にやりがいを感じます.予期せぬ疾患の発症に伴う入院は,これまでのライフスタイルの変容を余儀なくされたり,元々抱えていた問題が表面化する等のイベントになる可能性を孕んでいます.そのような状況の中にいる患者さんや家族は混乱した状態でソーシャルワーカーの前に現れます.ソーシャルワーカーとして関わり,患者さん達のQOLが少しでも向上した状態で支援が終結した際にやりがいを感じます.
 また,様々な患者さんの人生に触れ,自分自身では経験ができないような人生を追体験した際にソーシャルワークの奥深さを感じます.

高校生に向けて激励のメッセージをお願いします.

ソーシャルワーカーのやりがいは,様々な方の人生に関わらせていただくことにある,と個人的に思っています.私はソーシャルワーカーとして5年間の経験がありますが,その中でもいくつもの人生に関わり,成長させて頂いたと実感しています.責任も重く,辛い思いをしたことも少なくありませんが,人生のQOLの向上に欠かすことのできない素晴らしい仕事であると思います.この私のインタビューが皆さんの目に触れ,一人でもソーシャルワーカーという仕事に興味も持ってくださった方が居れば嬉しく思います.
 人生の中でも学生生活はかなり限られた時間です.残された学生生活を全力で楽しんでください.

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